ベルリンマラソンVは2時間11分台に 野口みずきの師匠「日本女子は進歩していない」と苦言
マラソン界に衝撃が走った。
24日のベルリンマラソンで女子のT・アセファ(26=エチオピア)が、2時間11分53秒で優勝。従来の世界記録(2時間14分4秒)を2分11秒も更新する驚異的なタイムでゴールした。
このレースで、2005年大会で野口みずきがマークした2時間19分12秒の日本記録更新を狙った新谷仁美(35)は2時間23分8秒の11位に終わったが、「気持ちの波が激しい点は気になるものの、野口の記録を破るのは新谷しかいない」と言うのは野口を育てた元シメックス女子陸上部監督の藤田信之氏だ。
その藤田氏に女子が2時間11分台を出した感想を聞くとこう語った。
「凄い記録だとは思うが、P・ラドクリフ(英国)が03年に2時間15分25秒を出した時、男子の世界記録は2時間5分を切った程度(2時間4分55秒)。その差は約10分。今の男子は2時間1分台で走っているので、20年かけて、やっと男女のタイム差は約10分に戻った。記録が伸びているのは厚底(シューズ)の恩恵もあるでしょう。でも、日本の女子マラソンは進歩していない。時計が止まっている。過去に2時間19分台で走ったのは01年高橋尚子(ベルリン)、04年渋井陽子(同)、05年野口の3人。今年1月(ヒューストン)の新谷が4人目ですが、野口から18年も経っている。