チーム貢献度の高い剛速球投手ほどトミー・ジョン手術を受けるという「不合理な真実」
この中でファンやメディアから大いに同情されたのが大谷だ。
今年は、来シーズン以降の長期契約がかかったコントラクトイヤーで、何が何でもケガを避けなくてはいけないのに、チーム内に故障者が続出。自己犠牲的な働きを見せ、TJ手術という最悪の結果を招いたからだ。
バティスタにも同情が集まった。160キロの剛速球とカーブで三振の山を築き、誰よりも貢献度が高かったのに、8月下旬に肘を壊してメスを入れ、ポストシーズンのマウンドに立つ夢をかなえられなかった。
レンジャーズのデグロムは、メッツから移籍した今季、出だしこそ好調で、5試合目までのフォーシームの平均球速は159.5キロだった。しかし、肘への負担が増し、6戦目(4月29日のヤンキース戦)で肘の腱を断裂してTJ手術を受けるはめに。これによってデグロムは来シーズンまで登板不能となり、レンジャーズは離脱期間の年俸7300万ドル(約110億円)をドブに捨てることになった。
今季、トップの平均球速をマークしたのは、ツインズのリリーフ右腕デュランで163.8キロ。史上最速だったが、スピン量の少ない直線軌道で、空振りを取れないため評価は低かった。