日大・林真理子理事長をパワハラで訴え反撃開始…澤田康広副学長の「狙いと勝算」
辞任させるために使った2つの「方便」
その際、林理事長から「文部科学省に『(澤田)先生の処分がどうなっているか』と言われており、あるところから『先生が事情を警視庁から聴かれるんじゃないか』という情報も入ってまして」「(聴取の際は)副学長ではなく、元副学長としたい」と辞任を迫られた。
澤田副学長が辞任勧告には従う一方、林理事長個人を相手に法的手段に出た「真の狙い」は何なのか。澤田副学長は林理事長のやり方に、かなり怒りを募らせていたようだ。
「周囲をイエスマンばかりで固め、自分に盾突いたり、都合の悪い人物を次々、排除していった田中英寿元理事長と、林理事長がやっていることは同じじゃないかということを世に伝えたいのでしょう。執行部は明確な理由を示さないまま、澤田副学長の会議への参加を禁止し、林理事長は第三者委員会の結論が出る前に、何の手続きも踏まずに辞任させようとした。澤田副学長は、田中時代と何も体質が変わっていないことをアピールしたいのではないか」(日大関係者)
澤田副学長側は林理事長の対応を、「故意に相手をおとしめる違法なパワハラだ」と指摘している。林理事長は澤田副学長に「警視庁の事情聴取」と「文科省の処分」を理由に辞職を求めたが、いずれも事実とは異なる疑いがあるという。
「そもそも警視庁は澤田副学長を事情聴取するつもりはなく、それに文科省が求めたのは澤田副学長の処分ではなく、『学内の処分を早く決めろ』ということだったというのが、澤田副学長側の主張です。林理事長の発言はすべて音声データに残されています。澤田副学長側はその言動が違法なパワハラに当たると捉え、裁判に勝てると自信を持っています」(前出の日大関係者)
一般的にパワハラの損害賠償の相場は50万~100万円といわれ、1000万円の請求はケタ違いだ。訴訟の目的はカネではなく、林理事長のイメージダウンを図るという可能性もある。メンツを潰された澤田副学長のなりふり構わぬ爆弾投下に、林応援団は戦々恐々だろう。