元阪神・オリ投手だった野田浩司さんは今…現役時代は不動産投資で大赤字、引退後は飲食店経営も
不動産はバブル崩壊で大損
ところで野田さんといえば、引退後の2005年、神戸・三宮駅そばに九州居酒屋「まる九」を開業。セ・パ問わず野球ファンで賑わっていたが、お店の経営はどうなっているのか?
「あっちは19年に、ずっと厨房を頑張ってくれてた社員に譲り、僕は今ノータッチなんです。新型コロナで飲食業界は大きな痛手を負いましたし、15年前のリーマン・ショックの時も一時的に経営が厳しく苦しい思いをしています。今、55歳ですから、飲食業界は卒業。戻ることはもうないですね」
現役時代もそうだったが、今も金儲け、投資の話は山ほど来る。
「実は、阪神時代の80年代後半、マンション投資で大赤字を食らってるんです。当時はバブル真っ盛り。タニマチさんの一人が不動産屋さんで、『絶対に儲かるから』と強く勧めるもんだから、現地を見ないまま都内に2室、計約1億円の物件を買いました。ところが、その直後にバブルは崩壊。気がついた時にはもう手遅れで、毎月50万円のローンを払っても元本が減りません。オリックスに移籍後しばらくして売却した時は、たった2000万円しか戻ってこなかった。ローンの支払いを考えたら1億円以上の大損害。とんでもなく高い授業料でした。以来、『ウマい話には気をつけろ』でやってます(笑)」
現役引退後の04年に1シーズンだけオリックスの投手コーチを経験しているが、指導者としては?
「今は同志社大学準硬式野球部の外部コーチをしていて、月に3、4回、京田辺市のグラウンドに通っています。オリックスのコーチを退任後、ボーイズリーグ、社会人野球のコーチ経験がありますが、人に教えるというのは、そうそう簡単なものじゃありません。ましてやプロが相手となると、僕自身が命を削るようなものですから」
(取材・文=高鍬真之)