大谷翔平ら輩出の花巻東に異変!「岩手純血主義」からの方針転換に全国の強豪校も真っ青

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強豪校監督「勝ち目がない」

 花巻東も甲子園に春夏通算15回出場。準優勝1回、4強2回、8強2回の強豪校なのだが、これまでは他の地区から選手をかき集める野球学校とは一線を画した「地元主義」がモットーだった。確かに菊池、大谷、西舘、佐々木麟はいずれも岩手出身である。それが“大谷バブル”に乗じて他県の選手の勧誘も始めれば、関東の強豪校にとって死活問題になりかねない。前出の関係者がこう続ける。

「大谷がドジャースと1000億円というとんでもない契約を結んだこともあって、中学生に『大谷さんのようになりたいので花巻東に行きます』と言われたら、ウチは勝ち目はない。それともう一人、有望中学生の間で雄星や麟太郎以上に人気なのが、巨人に1位指名された西舘なんです」

 菊池は総額3600万ドル(約51億1000万円)の3年契約を結んでいる大物メジャーリーガー。佐々木麟にしても、歴代の高校生の中で誰よりも本塁打を量産したスラッガーだ。それより中大の西舘が注目されているとは、どういうことか。別の強豪校の監督が話を引き取る。

■現実志向の親から高い支持

「中大を経由した西舘には、選手というより親御さんが注目しているのです。中学生は単純に大谷に憧れるけど、親の立場としては、高卒で日本ハムに入ってメジャーで大成功を収めた二刀流は、浮世離れした存在で現実的ではない。最近は全体的に安定志向になっていて、高校から直接プロへ進むより、大学進学を重視する中学生の親がかなり増えている。甲子園やプロに行けるかというより、どんな大学に進学できるかと聞かれることが多くなった。西舘は花巻東で甲子園に出場した上で東都大学リーグの名門・中大に進学。大学で実力を磨いて巨人に1位で入るという時代に合った王道ルートで、これが今どきの親御さんに支持されている。最近、関東の中学生を取り始めた大阪桐蔭や智弁和歌山が話題になりますが、今や東日本では花巻東が一番ブランド力があるんじゃないか」

 花巻東は大谷のようなビッグなメジャーリーガーと、西舘のような大学進学から1位でプロ入りするという親の現実志向に合った卒業生を輩出することで、高校野球界の「黒船」になっていると全国の強豪校は警戒を強めている。

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