大谷翔平とドジャース「能登半島地震への素早い対応」が示す日米の文化の差異
最近では、新型コロナウイルス感染症が問題化しつつあった20年2月にビル・ゲイツらが自らの財団を通して関係機関に1億ドル(当時のレートで約110億円)の寄付を行ったことなどが記憶に新しい。
今年1月1日に能登半島地震が起きると、大谷翔平は昨年末に移籍したドジャースと共同で100万ドルを超える寄付を被災地に対して行った。
プロスポーツ史上最高の10年7億ドル(約1015億円)の契約を交わした大谷であれば、100万ドルはわずかな金額と思われるかもしれない。
しかし、自分の寄付の一報が他の人たちの注意を引きつけ、多くの人が寄付する環境を整える役割を果たすことを重視するという、米国の寄付のあり方に根差したものだった。
そこへいくと日本は例えば巨人が1000万円を寄付したのは素早い対応で、NPBは仕事始めになってからコミッショナーの榊原定征氏が義援金の検討を表明するにとどまるなど、事態を静観している感は否めない。
今回の出来事は、良し悪しの問題ではなく、日米の著名人による寄付が持つ社会的な機能の違いを示唆している。
●前回【大谷も選んだ後払い、寄付、旅行…超高給メジャーリーガーが腐心「節税策」あの手この手】も、大谷ファン、野球ファンなら必読だ。