ライバルの指揮官は虎視眈々…大谷翔平&山本由伸が直面するドジャース攻略の手練手管
FA市場の目玉だった大谷翔平(29)、山本由伸(25)の両取りに成功したドジャース。
早くも下馬評ではナ・リーグ西地区連覇、12年連続ポストシーズン進出を有力視されるが、ライバル球団の監督たちが一泡吹かせようと手ぐすね引いている。ともに今季から指揮を執るジャイアンツのボブ・メルビン監督(62)、パドレスのマイク・シルト監督(55)の2人だ。
パドレスとの契約を1年残しながらジャイアンツに引き抜かれたメルビン監督は、現役の指揮官ではレンジャーズ・ボウチー監督に次ぐ通算1435勝をマーク。これまで3度の最優秀監督賞を受賞している名将の一人だ。
11年途中~21年、アスレチックスを率い、18年には史上最少の年俸総額6600万ドル(当時約74億円)のチームをポストシーズンに導いた。限られた予算で運営し極力、補強に資金を投じないドケチ球団で戦力をやりくりし、在任約10年間で6度のポストシーズン進出を果たしている。
大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言う。
「メルビン監督は現有戦力を使いこなすことに長けています。多くの監督はローテや打順を極力、固定する傾向にありますが、投手陣であれば先発の調子を見極めてロングリリーフに回すなど、柔軟な起用が目立ちます。ドジャースに比べてジャイアンツの戦力、特に打線は明らかに見劣りするものの、機動力のある選手が少なくないだけに、勝負どころでエンドランや盗塁を仕掛けるなど、あらゆる策を繰り出すはずです」
一方、ダルビッシュ有(37)、松井裕樹(28)のボスであるシルト監督は18年途中からカージナルスの監督代行を務め、前半戦に低迷したチームを立て直し、69試合で41勝28敗の勝率.594をマーク。翌年に地区制覇を果たすと、チームを3年連続でプレーオフに導いた。同監督は長らく高校野球の指導者を務めた後、大リーグのスカウトを経てメジャーの監督まで上り詰めた異色の経歴の持ち主。19年にはプロ経験のない指揮官では史上初めて最優秀監督に選出されている。
高校野球の指導経験が長かったこともあり、カージナルスではモリーナ、カーペンターらスター選手を擁しながら団結力を欠いたチームを一つにまとめ上げた手腕は高く評価された。
大谷、山本とも名将2人の手練手管に翻弄されるかもしれない。