横綱照ノ富士 4場所ぶり「復活V」で年内は安泰…横審と協会を黙らせ“延命”に追い風
元横綱白鵬(現宮城野親方)が「今の横綱に四つで勝てる力士はいない」と言えば、元横綱鶴竜(現音羽山親方)も「やっぱり最後は横綱が締める。そんな強い横綱を誰が倒す? となるのがまた面白い」とうなずく。
4場所ぶり9度目の賜杯を手にしたのが、横綱照ノ富士(32)である。
28日の千秋楽は本割で大関霧島(27)を一蹴すると、優勝決定戦でも2敗で並んだ関脇琴ノ若(26)を撃破。中継のアナウンサーが「何度でも復活します!」と叫んだように、今回も不死鳥のごとく蘇った。
優勝インタビューでは「(巴戦に突入した場合は)3番取るつもりで来たけど、2番で良かった」と舌も滑らか。懸念されていた腰のケガも、「病気じゃないから。ケガは痛いだけなので」と事もなげに言い、大関昇進をほぼ確実なものとした琴ノ若については「もっと鍛えて次の番付を目指してほしい」とエールを送る余裕すら見せた。
■「力だけではなく、技が勝因」
昨年は皆勤わずか1場所。これまで寛容だった横綱審議委員会もしびれを切らし、今場所前には「欠場なら(横審として)何らかのコメントを出す」と“警告”していたが、それも杞憂だったようだ。