千葉マリンスタジアム名物「突風」に泣かされた三塁守備…飛球は様々な動き方をした
バックネット側の壁の高さが33.9メートルなのに対し、バックスクリーン側は27.6メートル。バックネット側の壁の高さがバックスクリーン側より6.3メートル高いことが、風の動きを複雑にしていた。上空に上がった飛球がさまざまな動き方をするのだ。
私は三塁の守備で四苦八苦した。ある程度高い打球は押し戻されるが、それ以上、高く上がった飛球は、真下に急降下したりする。かと思えば、ハーフライナーは風に乗って、そのまま伸びていくケースもあった。私がファウルフライを右往左往しながら追いかけ、結局捕れず……というシーンは「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」(フジテレビ系)の「珍」の方の名物になっていた。
95年はボビー・バレンタイン監督が指揮を執り、10年ぶりのAクラス(2位)。私は主に5番を任され、初の打点王を獲得した。しかし、翌シーズンはスランプに陥った。強度の乱視のため、ボールが見えにくくなったのだ。コンタクトレンズを入れてみたが、強風が吹きつけるマリンスタジアムでは、砂ぼこりが目に入ってくるし、そもそもコンタクトが風で吹っ飛んでしまうこともしばしば。とても無理だと思い、メガネを着用。ようやく打撃不振から脱出することができた。
ただ、ボールが見えるようになっても、風速10メートル以上の日の飛球は捕れる気がしなかった。
次回は3年間プレーした川崎球場の悲しい話をしよう。(つづく=15日17時公開予定)