大リーグ選手会副委員長ブルース・マイヤーの解任問題は今後の労使交渉を左右する
委員長の解任は実現しなかったものの、求心力が低下したクラークは労使交渉の経験を持つ弁護士を要職に迎えることで事態の打開を図った。
こうして1986年に名門法律事務所のワイル・ゴッチェル&マンジェスに入所して労使交渉を担当し、後にNFL、NBA、NHLの選手組合で十分な経験を積んだマイヤーが副委員長となったのだった。
だが、一部にはクラークとマイヤーが有力な代理人スコット・ボラスと親密な関係にあり、ボラスと契約する選手が有利な契約を結んでいるという批判があった。そうした不満が今回の騒動をもたらしたのである。
クラークは、マイヤーの解任を拒否したとはいえ、他の役員がこのまま引き下がるとは思えない。
もしマイヤーが解任されれば、マイナーリーグ経験者でマイナーリーグの選手会を結成したものの、労使交渉の経験のないマリノを相手とする方が経営陣にとっては有利となる。それだけにマイヤーの処遇が今後の労使交渉に大きな影響を与えることになるのである。
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日刊ゲンダイの人気コラム「メジャーリーグ通信」で、前回はMLBにおける球種の呼び方の流行りや廃りについて報じた。
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