世界的スポーツイベントがテレビから姿を消しているが、大リーグ中継も例外ではない
先日、テレビ朝日がゴルフの全英オープンの中継から撤退するという報道があった。5億円といわれる放映権料を支払えなくなり、42年続いた中継に終止符を打ったようだ。
これに限らず、日本では地上波の放送局が放映権料を巡って主催者側と折り合いがつかず、撤退するケースが増えた。スポーツの世界的イベントは経済発展を続ける国々で人気が沸騰しているため、極端な売り手市場になり、急激な右肩上がりで放映権料がアップしているのだ。
それに引き換え日本は、30年以上に及ぶゼロ成長で相対的な支払い能力がどんどん低下しており、地上波局がスポンサーを集められなくなっている。
地上波がだめでも、契約者数の増大を狙った有料スポーツ専門局や衛星放送局が契約を肩代わりするケースもあるが、もはやジャパンマネーをあてにしていないため、契約希望局がなければ主催者側は「日本無し」で行くようになった。
しかし、ジャパンマネーへの依存度が高い野球ではそうはいかない。MLBの年間放映権料は公表されていないが、2010~15年の6年間は年間7917万ドル(当時の為替レートで約90億円)だったので、現在は1億5000万ドル前後(約225億円)と思われる。この契約はMLBとNHK+民放+Jスポーツの連合体との契約だが、主体はあくまでも連日、大リーグ中継を行っているNHK。放映権料の8~9割を負担しているとみられる。