アーティスティックスイミングは「ルール変更」で勢力図が激変! 全出場国がメダル射程圏内の“怖さ”
「事前に演技予定表を提出し、審判はそれを基準に演技をチェックします。各技に細かくポイントが振り分けられているので、各国はなるべく見込み得点の高い構成で挑むわけですが……。申請した通りに正しく技が成功すれば加点されるものの、テクニカルコントローラー(審判)から“ココが申請通りに実施できていない”と判断されると、その一連の動作に『ベースマーク』(最低点)が付けられてしまうことも。そうなれば見込み得点から20~30点を失うことになり、一気にメダル圏内から脱落する可能性があります。つまり、“確実に演じられる限界値”を追求した構成を練り、本番ではそれを寸分たがわず実演しなくてはいけません。非常にゲーム性が高くなったのです」
これにより、いったい何が起こるのか。三井梨紗子氏が言う。
「簡潔に言うと、“どこの国も平等にメダルが狙えるようになった”ということです。従来は前年や同年の成績が五輪の順位に少なからず影響してしまうと感じていました。おそらく全ての競技関係者の共通認識だったはずです。それが一転、今大会からは本番の演技のみで判断されます。これまで絶対的なポジションにいた中国でさえ、ひとつのミスで表彰台に立てない可能性がある。現在の日本の実力そのものは世界で2~4番だとみていますが、ほんのわずかな油断もできません」