爽やかな世代交代ににじむテニスの歴史…ウィンブルドンは「新旧対決」の末、21歳アルカラスV
5セットマッチを7試合戦うグランドスラムのフィナーレはいつも美しい。
前人未到のメジャー通算25勝が目前だったジョコは、6月に膝の手術を受けたばかりだ。そのことには触れず、すべてにおいて君が上回っていたと、笑みを浮かべて若者を称えた。147年、137回目の“聖地”の歴史にふさわしい爽やかな世代交代の絵図だ。
この激しい男子決勝がウィンブルドンのトリではない。その後、センターコートではミックスダブルスの決勝が行われ、今年は38歳の謝淑薇ペアが優勝した。
テニスの起源はビクトリア朝における社交の場、男女共同で規則を蓄積してきた唯一のスポーツだ。だから男女同額賞金だとも言えるが、常に相手への敬意と思いやりが求められ、技術や勝敗や記録だけでなく人となりが期待される……学校対抗の勝ち負けで発展する日本の庭球史とは根っこが違う。新しいスターが育つワケを改めて知らされた。