照ノ富士が健在なら琴桜&豊昇龍の綱とりチャンスは大幅増…「横綱」という“手柄首”これだけの重み
前日の鬱憤は晴らせたか。
横綱照ノ富士(33)が昨13日、隆の勝を下し、昨年7月場所以来、およそ半年ぶりの白星を手にした。
初日は若隆景の肩透かしで瞬殺されたが、この日は長丁場の相撲。苦戦しつつも寄り切った。
「かつての照ノ富士だったら、最初に組んだ時点で仕留めていたはず。途中、強引に投げを打ったのは、密着されてからの寄りを警戒したからでしょう。隆の勝の武器のひとつで、過去にこれで負けたこともありますからね。慎重に、慎重にという一番だった」(角界OB)
直前の2場所は全休。まだ相撲勘が戻っておらず、本調子でないのだろうが、勝ち続ければエンジンが温まり、優勝争いにも加わるはず。そうなれば今場所、綱とりに挑戦している琴桜、豊昇龍にとって不利……と思いきや、実は2大関にとっては昇進のチャンスが増すという見方がある。
先場所を制した琴桜は連覇なら文句なしの横綱昇進。しかし、優勝を逃せば話は別だ。千秋楽の優勝決定戦まで持ち込んだ場合は、「優勝同点」として昇進は濃厚。そこまで持っていけず、星数が1つ足りない準優勝の場合だと、ハードルはさらに高くなる。それでも仮に横綱を撃破していれば、評価は大きく上がる。横綱という「手柄首」はそれだけ大きいのだ。