「蔦重の教え」車浮代氏

公開日: 更新日:

「江戸で20代の若者に戻ってしまった武村が出会うのが蔦重で、のちの世に名を残す絵師たちと親交を重ねながら、蔦重からは商売や人生の極意を学んでいきます。だから、現代人である武村と一緒に戸惑ったり驚いたりしながら、江戸を感じてもらえればうれしいですね」

 ただの味噌汁と山盛りの白飯がとてつもなくうまいこと、風呂屋が混浴で女性の裸が見放題なことなど、随所に表れる描写の細かさは、江戸文化に詳しい著者ならでは。そして、何といっても見逃せないのが名プロデューサー蔦重の“教え”だ。

「革新的なことを次々とやってのけた蔦重からは、現代にも通じる成功哲学が学べます。本書は、蔦重節によるビジネス書としても読んでいただけると思います。巻末には、教えを箇条書きにしてまとめていますので、好きな教えの部分を繰り返し読んでいただくのもいいかもしれません」

 たとえば、“人生は知恵比べ。考え抜いた方が勝つ”“三方向から見る目を持つ”など、印象深い教えが随所にちりばめられている。やがて主人公は、蔦重と絵師たちの生きざまを通して自分の人生を振り返り……。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末