「検証・法治国家崩壊」吉田敏浩氏

公開日: 更新日:

 異例のスピード審査で59年12月に出された最高裁判決は、伊達判決を破棄、米軍駐留は合憲だとした。アメリカの干渉にすすんで譲歩する日本の政治家や最高裁長官の言説には驚かされる。 

「この判決以後、米軍の活動に日本政府の主権が及ばない状態が、ますますひどくなっていきます。米軍機の低空飛行による騒音、墜落事故が起きても、基地から有害物質が流されても、司法は救済できません。国民の人権が脅かされているのに、アメリカは日本の基地を自由に使い、日本の財政を使って、ベトナム戦争や湾岸戦争に出撃していったのです」

 今回、安倍政権は集団的自衛権の根拠に砂川事件の最高裁判決を持ち出しているが、同判決も集団的自衛権も、共にアメリカの要請によるものであるのは明白だ。

「日本の司法の独立性と信頼を取り戻すためにも、アメリカ公文書に対応する日本側の資料を公開するべきです。そして、真の独立国といえない状態でいいのか、日本人一人一人が考えなければいけないと思います」

(新原昭治、末浪靖司共著 創元社 1500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由