「あしたのこころだ 小沢昭一的風景をめぐる」 三田完著
憧れの小沢と初仕事をしたとき、若かった著者は細心の気を使い、好物だとエッセーに書いてあった塩せんべいと番茶を用意した。ところが全然手をつけない。後でおいしそうにコーヒーを飲む姿に仰天したという。ファンを裏切らないように素顔を隠し、小沢昭一を演じ切る。「語る藝は騙る藝でもあったのだ」と著者は書く。
一筋縄ではいかない人だった。
(文藝春秋 1600円+税)
憧れの小沢と初仕事をしたとき、若かった著者は細心の気を使い、好物だとエッセーに書いてあった塩せんべいと番茶を用意した。ところが全然手をつけない。後でおいしそうにコーヒーを飲む姿に仰天したという。ファンを裏切らないように素顔を隠し、小沢昭一を演じ切る。「語る藝は騙る藝でもあったのだ」と著者は書く。
一筋縄ではいかない人だった。
(文藝春秋 1600円+税)