日本の財政は、もはやほとんど破綻。「いかなる目標を掲げようが、いかに歳出を削ろうが、どれほど増税しようが、再建は覚束ない」のが現実だと著者は指摘する。税金を食い荒らし、このような惨憺たる状況を招いた「タックス・イーター」の悪行を暴く警世の書。
タックス・イーターは「政官業の鉄のトライアングル」をつくり上げ、国の予算や財政投融資を食い荒らすだけではなく、課税を巧妙にすり抜ける一方で、その対価だけは享受。さらに国債にまで手を出し、将来世代が納める税金まで先取りして食い荒らしている。その複雑で不透明な実態を明らかにしながら、日本経済の暗部に迫る。
(岩波書店 780円+税)