大河ドラマ「龍馬伝」で香川照之が演じて話題になった岩崎弥太郎は地下浪人という、士分でもいちばん低い身分の家に生まれ、後に海運事業で成功して三菱の創始者となる。弥太郎のライバルだったのが共同運輸などを立ち上げた渋沢栄一だ。渋沢は豊かな農家の息子で、一橋家に仕えてその手腕を認められ、実業界のリーダーとなる。両者は日本の海運の覇権をめぐって激突したが、弥太郎が死んだため合併して日本郵船が誕生した。渋沢は昭和まで生きて社会公共事業に尽力したが、著者のジャッジでは人間くさい弥太郎の勝ち!
同ジャンルで活躍した著名人26組を対決させて紹介するユニークな偉人伝。(新潮社 1400円+税)