「古書ミステリー倶楽部Ⅲ」ミステリー文学資料館編
古書や蔵書などをテーマにしたミステリーを編んだアンソロジー。
自殺した妹の翔子が一人暮らしをしていた部屋で遺品の整理をしていた薪子は、あることに気づき不審が募る。部屋の本棚の高さが小柄だった翔子に不釣り合いなのだ。本は翔子の手が届かない上段に収められていた。薪子は翔子が部屋に出入りしていた背の高い人物に殺されたのではないかと疑問を抱く。しかし、親友にたずねても、妹に恋人はいなかったという。本に挟んであった古本屋のカードを見つけた薪子は、手掛かりを求めて、その古本屋を訪ねる。(宮部みゆき著「のっぽのドロレス」)
ほか、江戸川乱歩から法月綸太郎まで12作を収録。(光文社 800円+税)