「情け深くあれ」岩井三四二著

公開日: 更新日:

 信長が京に入り、市中は騒然としていた。医師・曲直瀬道三の弟子、英俊は道三の代診で、中風に苦しむ幕府の元奉行・松田駿河守の屋敷を訪れた。薬を処方して辞去しようとしたとき、「謀反の疑いあり」と呼ばわって7人の兵がなだれこんできた。

 兵の後に入ってきた50年配の男は明智十兵衛光秀と名のり、道三の弟子であると知ると、英俊の見立てを信じて引き揚げる。だが、恐れを見せず、医師として松田の病状を告げる英俊が元武士であることを見破り、「おれの家来にならぬか」と言う。(「情け深くあれ」)

 戦乱の世に武士を捨て、医師として生きる男を描く時代小説。表題作ほか6編。(文藝春秋 1600円+税)


【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方