「睡眠薬中毒」内海聡著
氾濫する睡眠薬の危険性を告発するメディカルリポート。
日本では成人の3割が不眠症状に悩んでいるといわれ、国民の5%が睡眠薬か代わりの抗不安薬を常用している。しかし、睡眠薬に不眠を治す力はなく、脳を強制的に麻酔しているだけだという。
さらに睡眠薬には依存性があり、服用中止には禁断症状が伴う。飲み続けると認知症になりやすく、早死にのリスクも高くなるなど、何一ついいことがないとか。不眠と頭痛を訴え診察を受けた患者が、処方された睡眠薬を飲み始め、耐性ができて効かなくなるから量が増え、ついに薬物中毒死してしまった例など、患者のエピソードを紹介しながら、睡眠薬の恐ろしさと、睡眠薬依存からの脱出方法を解説する。(PHP研究所 780円+税)