「憲法と政治」青井未帆著
2014年7月1日の集団的自衛権行使を容認する閣議決定、さらに翌年9月の安保関連法成立。違憲と指摘、批判されるこの安保外交政策の転換によって、「日本の立憲主義は大きく傷つき、憲法の『規範としての力』が削がれた」と著者は指摘する。
そして今、政治が憲法に従うのは当たり前という前提が崩れ、かつてない「改憲機運」がさまざまなルートを通して醸成されつつある。「政治が憲法を乗り越えようとしている」ことに危機感を抱く著者が、政権による改憲へのアプローチ、そして自民党の改憲草案を綿密に検証。
「権力の統制」という課題と国民がどう向き合うべきかを考察した警世の書。(岩波書店 840円+税)