難民問題とブレグジット…急激に揺らぎつつあるEUの危機

公開日: 更新日:

「ユーロ恐慌」副島隆彦著

 国際関係がらみの政治経済畑で独自の直言を得意とする評論家によるユーロ問題読解。この冬からドイツに端を発する「ヨーロッパ発の金融恐慌が世界を襲う」と冒頭から断言。ドイツ銀行が破綻寸前の状態にあり、そこにつけこんだアメリカが、サブプライムローン問題のときのドイツ銀行の責任を追及するかたちで莫大な制裁金を科そうとしているからだ。

 本書はEUよりも米日露中など世界経済全体を視野にしているが、特徴は著者の“暴言大将”ぶり。イエレン米FRB議長に「嘘つき婆さん」と毒づき、民主党寄りのノーベル賞経済学者スティグリッツを「ワル」と一刀両断。黒田日銀総裁に至っては「ひとりで悦に入って盛り上がる」とにべもない。さすがトランプ勝利を予想した著者ならでは、というところ。(祥伝社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情