「増補新装版 優生保護法が犯した罪」優生手術に対する謝罪を求める会編
ナチス・ドイツは優生学を盾に精神障害者などに強制的に断種手術を行ったが、日本でも、それも戦後に、優生保護法に基づき、ハンセン病患者や障害者に対して強制的に不妊手術が行われた。1946年生まれの飯塚さん(仮名)は父親が病気で、母親が働いて7人の子供を養っていた。民生委員が母親を嫌って十分な生活保護費を渡さず、生活は苦しかった。飯塚さんはこの民生委員によって知的障害がないのに知的障害者の施設に入所させられる。中学卒業後、住み込みで働いていた先の職親に診療所に連れていかれ、何も知らされずに不妊手術をされたという。優生手術被害者への謝罪と補償を求める運動の資料を加えた増補版。
(現代書館 2800円+税)