寺脇研氏&前川喜平氏 “教育のプロ”が太鼓判押す本と映画
前文科次官・前川喜平氏のオススメは…
文部科学事務次官を退任してから1年あまり。それまでの役人人生では接点のなかった人たちと出会うことが多くなった。
その中の2人が書いた本を紹介したい。いずれもジュニア向けの本なのだが、中高年にも読み応えのある本だ。
1冊目は、憲法記念日にふさわしく憲法に関する本。タイトルは「檻の中のライオン」(かもがわ出版)。著者は楾大樹さん。広島の弁護士さんだ。国家権力を「ライオン」、憲法を「檻」に例え、基本的人権の保障、三権分立、立憲主義など、憲法の基本がよく分かるように書かれている。
安全保障法制は、ライオンが檻の中では認められない集団的自衛権に手を出すため、力まかせに檻を壊したということ、緊急事態条項は、内側から鍵を開けられるように檻を作りかえることだと説明する。憲法改正が現実の日程に上っている今日、憲法を知ることは主権者国民の喫緊の課題だ。憲法学習にもってこいのこの一冊、小中学生の子どもと一緒に読んでもいいだろう。