「無子高齢化 出生数ゼロの恐怖」前田正子著

公開日: 更新日:

 日本の人口は2040年代に1億人を割るといわれ、そのときは65歳以上の高齢者が4割を占める超高齢社会が到達する。このように日本の出生率が下がり続ける理由を、元横浜市副市長の著者は「戦後の人口動向を政府が読み間違った」ためだとズバリ言う。

 団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア世代の未婚化が進んだことが大きな要因だが、それは若者のせいではなく、むしろ彼らは時代の被害者である。バブル崩壊後、生き残りに必死だった企業が新規採用を抑制し、非正規化を進めたため、若者が安定した職につけず、働いても収入が低ければ、結婚・出産は難しい。それが現在の“無子高齢化”を生んだと指摘。さらに、貧困対策と就労支援など包括的な子育て・若者支援政策の必要性を訴える提言の書だ。

(岩波書店 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    箱根駅伝で創価大も起用 ケニア人留学生の知られざる待遇

  2. 2

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭

  3. 3

    中居正広「テレビから消える日」いよいよ現実味…女性トラブル示談金9000万円報道いまだ波紋

  4. 4

    中居正広“9000万円女性トラブル”報道で再注目 女子アナや芸人が暴露…テレビ局の“悪しき風習”

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    中居正広「申し訳ございません」ついに謝罪もSMAP再結成は雲散霧消…元リーダーが“終止符”を打つ皮肉

  2. 7

    《親会社変わってくれ》楽天OBが実名で痛烈批判! 創設20年で監督6人が1年でクビの「負の連鎖」

  3. 8

    【箱根駅伝】「予選会組」からのシード入りを阻む「高い壁」の正体…今大会は10組中たった2校だけ

  4. 9

    SNSを駆けめぐる吉沢亮の“酒グセ”動画…高級マンション隣室侵入、トイレ無断拝借でビールCM契約解除→違約金も

  5. 10

    中居正広“9000万円トラブル”で番組窮地…「今でも許せない」告発女性が反撃の狼煙