「海の地政学」竹田いさみ著

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 15世紀の大航海時代以降、海洋覇権をめぐりしのぎを削ってきた各国の攻防を地政学的視点から振り返る海洋史。

 1492年の新大陸発見を機に、スペインとポルトガルが海洋進出を加速。この時代、領海という概念はなく海洋は無秩序だった。両国の海洋競争が激化し、大きな対立に発展する危険性が高まり、ローマ教皇の調停で世界初の海洋分割が行われる。以降、19世紀にはイギリスが海の覇者となり、20世紀にはアメリカが台頭。そして1994年に一国家による一方的な海洋支配を食い止めるため、海の憲法とも呼ばれる国連海洋法条約が発効される。

 だが、21世紀に入り、中国がこの“憲法”に挑戦する姿勢を示している。こうした海洋秩序の変遷に焦点を当て、近現代史を海から捉えなおす。

(中央公論新社 900円+税)

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