「今日もうまい酒を飲んだ」広小路尚祈著

公開日: 更新日:

 バーを営む阿部はある夜、常連客の上原から最高の泡盛を教えて欲しいと尋ねられるが、即答できない。「うまい酒、最高の酒は人それぞれ」を信条にしていることもあるが、専門外の泡盛については知識もない。

 聞くと、沖縄出身で今は東京に暮らす上原の祖父のカジマヤー(数えで97歳になったことを祝う沖縄の行事)の席で飲ませてあげたいのだという。

 自分なりに探すことを上原に約束した阿部は、師匠の杉本に助けを求め、一本の泡盛と巡り合う。東京大学に保管されていた戦前の黒麹菌を使って造られたその「御酒(うさき)」に感動した阿部は、泡盛のことをもっと知るために沖縄へと向かう。

 最高の泡盛を求めるバーマンを主人公にしたルポルタージュ小説。

(集英社 640円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方