「あやかし人形館」睦月影郎著

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 大学に入学した木野月男は父の旧友の岸井の家に寄宿することになった。岸井はヨーロッパに赴任中で、その妻、奈保子はなまめかしい女性だった。彼女の祖父は人形師だったので、1階は人形の展示場のようになっている。その中に天使のように清らかな人形があった。「綺麗だ……」とつぶやくと、「月男さんね、私は香織」と人形が答えた。岸井の娘だった。

 その夜、どこからか聞こえてくるうめき声にひかれて奥に入っていくと、明かりのついた部屋に奈保子が全裸で寝ていた。それは細部までリアルに作られた人形だった。月男はその人形の肌に舌を這わせる。

「魂入れ」によって動くからくり人形に魅せられた男を描く官能ファンタジー。

(二見書房 1760円)

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