堂場瞬一
著者のコラム一覧
堂場瞬一作家

1963年、茨城県生まれ。2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。警察小説、スポーツ小説などさまざまな題材の小説を発表している。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」など多数。2021年、作家デビュー20周年を迎え、出版社を横断したプロジェクトが進行中。

<121>縦割り組織でなく警察一家でありたい

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

「あのな、前から言おうと思ってたんだが」高峰が遠慮がちに切り出した。

「何だ?」

「うん……」高峰が珍しく言い淀む。「俺たちの親父も、刑事だっただろう?」

「ああ」詳しい事情は知らないのだが。やはり公安の刑事だった父は、自分の過去をほとんど語ろうとしない。

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