「しごと放浪記」森まゆみ著
40年以上もフリーで働いてきた著者は、作家・編集者・市民運動家・映像作家・古老の聞き書き、まちづくりの手伝いなど、多彩な仕事に携わる。お金の入る仕事はもちろん大事だが、仕事とは「人の、社会の役に立つこと」という著者が、どうしたら好きなことを仕事にできるかを説いたエッセー。
男女雇用機会均等法前の1977年、女という理由だけで就職活動は難航。何とか小さなPR会社に採用される。7カ月後に出版社に転職するも、仕事を教えてもらえず、セクハラやパワハラも横行。それでも志望だった編集者の道を歩み始め、仕事に夢中で取り組んだ。結婚を前にフリーになり、子育てをしながら地域雑誌を創刊。離婚後は物書きへと、状況に応じて自ら切り開いてきた人生を自伝的に振り返りながら、仕事について語る。
(集英社インターナショナル 968円)