「マイクロスパイ・アンサンブル」伊坂幸太郎著

公開日: 更新日:

 子どもの頃、下校しても両親がいつも不在だったので、悪い仲間と付き合うようになったエージェント・ハルト。親身になってくれた教師に、エンジンなしで、目的があるのかないのか、優雅に旋回しているグライダーのように生きたいと言ったら、教師は、こう諭した。エンジンを積んでタイムスケジュールどおりに飛んでいるジェット機の方がグライダーより楽かもしれない、と。

 その教師は実は諜報員で、ハルトを秘密情報局の仕事に誘い込んだ。「ここで金を稼いで、残りの人生をグライダーで過ごせばいい」。そしてグライダーの歌を口ずさんだ。♪燃料タンク 地図 ナビゲーター ハナからナイよ……。

 昔、ずっと幽閉されていた高い高い塔から助け出された女が語る、グライダーが運んだ7つの物語。

(幻冬舎 1430円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  2. 2

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  3. 3

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  4. 4

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 5

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  1. 6

    中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か

  2. 7

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  3. 8

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 9

    役者・林与一さん83歳の今も現役「糖尿病家系で甘いモノ好き。血糖値が問題ないのは運動のおかげ」

  5. 10

    囁かれる岸田前首相“再登板”に現実味? 一強時代到来で「安倍超え」に虎視眈々