「マイクロスパイ・アンサンブル」伊坂幸太郎著

公開日: 更新日:

 子どもの頃、下校しても両親がいつも不在だったので、悪い仲間と付き合うようになったエージェント・ハルト。親身になってくれた教師に、エンジンなしで、目的があるのかないのか、優雅に旋回しているグライダーのように生きたいと言ったら、教師は、こう諭した。エンジンを積んでタイムスケジュールどおりに飛んでいるジェット機の方がグライダーより楽かもしれない、と。

 その教師は実は諜報員で、ハルトを秘密情報局の仕事に誘い込んだ。「ここで金を稼いで、残りの人生をグライダーで過ごせばいい」。そしてグライダーの歌を口ずさんだ。♪燃料タンク 地図 ナビゲーター ハナからナイよ……。

 昔、ずっと幽閉されていた高い高い塔から助け出された女が語る、グライダーが運んだ7つの物語。

(幻冬舎 1430円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 2

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 3

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  4. 4

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  2. 7

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    エースの留年が影響か?昨夏王者・慶応まさかの県大会16強敗退…文武両道に特別扱い一切なし

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇