「ちびねこ亭の思い出ごはん」高橋由太著

公開日: 更新日:

 4年前、葵は父方のおばあちゃんからプレゼントされた赤いランドセルがとても気に入った。しかし、「意識高い系」の母親が、今は女の子だからといって赤いランドセルを使う時代じゃない、と突き返してしまう。母は、おばあちゃんが作ってくれた葵が好きなパンの耳のドーナツも「こんなもの」と捨ててしまった。いつかそんなあれこれを謝りたいと思っていたのに、おばあちゃんはあっけなく死んでしまった。

 両親と君津市にあるおばあちゃんの家の片づけに行った日、葵は塾の先輩から聞いた店に一人で向かう。海辺にあるその店「ちびねこ亭」で思い出のごはんを食べれば、死んでしまった大切な人に会えるらしい。(「黒猫とパンの耳」)

 思い出ごはんが死者と生者の関係をつなぎなおす人気シリーズ第5弾。

(光文社 682円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  3. 3

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「負傷者リスト入り」待ったなし…中5日登板やはり大失敗、投手コーチとの関係も微妙

  5. 5

    加賀まりこ「鈴さん」人気沸騰中!小泉今日子と《そっくり》の母親役でフジ月9“夢の共演”を待望する声

  1. 6

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  2. 7

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  3. 8

    永野芽郁「文春砲第2弾」で窮地…生き残る道は“悪女への路線変更”か?

  4. 9

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  5. 10

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった