「グッバイ マイヒーロー」山田宗樹著

公開日: 更新日:

 空き地で上級生にいじめられていた小学3年の哲彦は、現れたヒーローの仮面をかぶった大人に助けられる。よく見ると、ヒーロー仮面は、叔父の清治郎だった。真面目で仕事人間の父はなぜか弟の清治郎を毛嫌いしている。哲彦には2人の間に何があったのか知らない。以来、しばらく消息が不明だった叔父は、駅の反対側で霧江という名の女性と暮らし始め、哲彦の前にもちょくちょく現れるが、父には内緒だ。

 中学生になると、哲彦は霧江を女性として意識し始める。やがて故郷を離れ大学に通う哲彦は、前触れもなく現れた叔父から霧江の死を知らされる。哲彦にとって霧江は初めての女性でもあった。

 人生を踏み外した叔父と彼に助けられてきた甥っ子の関係を描く感動のヒューマンストーリー。

(角川春樹事務所 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド