「ナマケモノ教授のムダのてつがく」辻信一著

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「ナマケモノ教授のムダのてつがく」辻信一著

 著者は中南米で森林保護とマングローブ植林活動に参加し、ナマケモノと深い因縁で結ばれている。

 ミツユビナマケモノは動きがスローなので、捕食者が多い熱帯雨林で生きていくのに向かないように見える。だが、動きが遅いのは筋肉が少ないためで、それはエネルギーを節約して葉っぱを食べて生き残るための進化の結果なのだ。高カロリー、高タンパクのエサをほかの動物と取り合うこともない。

 めったに動かないのは猛獣や猛禽類から身を守る知恵かもしれない。ミツユビナマケモノは7、8日に1回、木の根元に下りて糞をするが、それはその木に栄養分を返すという涙ぐましい行動なのだ。

 文化人類学者が「ムダ」の価値を問い直す。 (さくら舎 1760円)

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