「キリンのひづめ、ヒトの指」郡司芽久著
哺乳類であるヒトは、親指(母指)と人さし指の腹を合わせてOKマークを作ることができるが、他の多くの哺乳類にはできない。ヒトの手の親指は他の4本の指から離れてやや斜めに生えているためこういうしぐさができるのだ。こういう構造を「母指対向性」と呼ぶ。猿や鳥の仲間は母指対向性があるために細い枝を握ることができるが、5本の指が同じ向きに生えている犬や猫にはできない。また、ヒトは手のひらを返すことができるが、キリンにはできない。ヒトの腕には橈骨と尺骨があり、片方を軸にもう一方を回転させることができるが、キリンは橈骨と尺骨がくっついて1本の骨になっているからだ。
さまざまな動物の進化をわかりやすく説明。
(NHK出版 1650円)