「東北学/忘れられた東北」赤坂憲雄著

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「東北学/忘れられた東北」赤坂憲雄著

 東北学を提唱する著者が、東北各地をフィールドワークしながら思索を重ねる論考集。

 かつて日本のチベットと称された岩手県九戸郡山形村、その山深い過疎の村のさらにはずれにある戸数わずか5戸の木藤古集落を訪ねる。雑穀と炭焼きの村だ。石臼を水の力で動かす「バッタリ」が雑穀をつく音を聞きながら、かつて強引な稲作への転換に駆り立てられた東北の村が、近代になっても深刻な凶作に繰り返し見舞われ、その後も減反政策やコメの自由化に翻弄されてきた歴史を振り返る。そうした稲作への転換が、列島の村々の衰微をもたらした事実を明らかにする。

 以降、山形、秋田、岩手の各地をくまなく歩き、日本文化を深層から問い直した野辺歩きの記録。

(岩波書店 1837円)


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