「逆ソクラテス」伊坂幸太郎著
「逆ソクラテス」伊坂幸太郎著
プロ野球のペナントレースも終盤、首位争いを繰り広げる2チームの試合をテレビで見ていた加賀は、小学校時代の同級生・安斎のことを思い出す。
6年のときに転入してきた転校生の安斎は、同級生の草壁をバカにする土田に面と向かって「僕はそうは思わない」と反論。加賀にとって今までにないタイプの同級生だった。クラスを仕切る土田が草壁をバカにした発言をするのは、担任の久留米が日ごろから皆の前で草壁を見下した言動をするからだと安斎は言う。
そんな久留米の先入観を覆すため、安斎はある計画を立てる。憧れの的の女子・佐久間まで加わり、いよいよ計画を実行に移す日が来た。(「表題作」)
少年を主人公にした5作を収録したアンソロジーで、第33回柴田錬三郎賞受賞作。
(集英社 792円)