「われらの牧野富太郎!」いとうせいこう監修 毎日新聞出版編
「われらの牧野富太郎!」いとうせいこう監修 毎日新聞出版編
博士をテーマにしたビジュアルブック。
博士は生前、同好の士らと野外採集会を定期的に行ってきた(会は博士の死後、現在まで続く)。
そこで、まずは監修者のいとう氏が博士役を務め、さまざまな分野の人たちと博士の故郷・佐川町で令和の「プランツ・パーティー」を催す。
愛する植物に失礼があってはならぬと、いつも正装で採集していた博士を見習い、正装したいとう氏に率いられ、博士が幼い頃によく遊んだ実家の裏山の金峰神社など、少年時代の足跡をたどるとともに、現地で実際に野草を採集。合間におやつを食べたり、楽しげな様子が伝わってくる。
ほかにも、戦前に採集会に参加したことがあるという元中学教諭の横山譲二氏や、次女の鶴代の孫である牧野一浡と額賀じゅんじ兄弟など、ゆかりの人々がそれぞれの博士について語るコーナーや、連続テレビ小説「らんまん」の脚本家・長田育恵さんといとう氏の対談、そして博士の死の翌年に開園した「高知県立牧野植物園」の案内など。
盛りだくさんの内容で博士の人間的魅力に迫る。
(毎日新聞出版 2420円)