「われらの牧野富太郎!」いとうせいこう監修 毎日新聞出版編

公開日: 更新日:

「われらの牧野富太郎!」いとうせいこう監修 毎日新聞出版編

 博士をテーマにしたビジュアルブック。

 博士は生前、同好の士らと野外採集会を定期的に行ってきた(会は博士の死後、現在まで続く)。

 そこで、まずは監修者のいとう氏が博士役を務め、さまざまな分野の人たちと博士の故郷・佐川町で令和の「プランツ・パーティー」を催す。

 愛する植物に失礼があってはならぬと、いつも正装で採集していた博士を見習い、正装したいとう氏に率いられ、博士が幼い頃によく遊んだ実家の裏山の金峰神社など、少年時代の足跡をたどるとともに、現地で実際に野草を採集。合間におやつを食べたり、楽しげな様子が伝わってくる。

 ほかにも、戦前に採集会に参加したことがあるという元中学教諭の横山譲二氏や、次女の鶴代の孫である牧野一浡と額賀じゅんじ兄弟など、ゆかりの人々がそれぞれの博士について語るコーナーや、連続テレビ小説「らんまん」の脚本家・長田育恵さんといとう氏の対談、そして博士の死の翌年に開園した「高知県立牧野植物園」の案内など。

 盛りだくさんの内容で博士の人間的魅力に迫る。

(毎日新聞出版 2420円)

【連載】好奇心発動!天真らんまんな「牧野富太郎本」特集

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」