「マルチの子」西尾潤著

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「マルチの子」西尾潤著

 高校卒業後、就職した会社でいじめに遭い、わずか1年で退職した真瑠子は、バイト先で知り合った丹川谷に誘われ、高級磁気マットレスを商材とするネットワークビジネスの世界に飛び込む。そこは、幼いころから、優秀な姉と比較されて育った真瑠子にとって、初めて自分を認めてもらえる場所だった。

 以前は人と話すのが苦手だったが、勉強を重ねプレゼン力はめきめきと上がり、今ではセミナーの講師を務めるほどだ。しかし、自分のグループの売り上げはなかなか伸びない。

 そんな中、別のマルチから乗り換えた竹田が真瑠子の傘下に加入。竹田は6人もの参加者を連れてきた。これで夢のゴールドメンバー入りも見えてきた真瑠子だが……。

 著者自身の体験をもとに、マルチ商法の天国と地獄をリアルに描いた長編。 (徳間書店 1045円)

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