「厚生労働省の大罪」上昌広著
「厚生労働省の大罪」上昌広著
新型コロナは、日本人の暮らしや経済に大きな影を落とし、今もその影響は続いている。国内で感染拡大が始まった当初、厚生労働省はPCR検査数を制限し「37.5度以上の発熱が4日以上」続かないと検査が受けられず、大混乱を招いた。その後も、非科学的な感染症対策を取り続け迷走。
一方で3年以上にわたって膨大な血税がコロナ対策と称して「感染症ムラ」につぎ込まれ、そのうち少なくない額がコロナ患者のために活用されなかった疑いもあるというのに、それを検証したり、追及したりする動きもない。新型コロナは、日本の厚生行政とムラ社会の医療界が抱えてきたさまざまな問題を露呈させた象徴的な事案だった。
日本の感染症対策や厚生行政の構造的な問題点を検証する。
(中央公論新社 946円)