「ポップ・フィクション」堂場瞬一著

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「ポップ・フィクション」堂場瞬一著

 昭和3年秋、月刊「エース」が売り上げ150万部を超え、編集部は歓声を上げた。一方、総合論壇誌「市民公論」の編集者、松川晴喜はそれどころではない。作家の菊谷聡の自宅へ連載原稿を受け取りに行ったのだが、菊谷がとんでもないことを言いだした。注文された原稿ではなく、自分の書きたいものを書いてみたいから、出版社をつくって雑誌を発行するというのだ。編集部にはさらに松川が筆記を担当した「市民公論」の看板学者・藤島の巻頭言の内容が問題視されて、藤島が大学を追われるという情報が入ってきた。そこには、大学の総長選にからむ陰謀があるらしい。

 出版業界が沸いていた時代を背景にしたエンターテインメント小説。 (文藝春秋 2090円)

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