(122)「手まくら」は宣長の異色作
戯家の本屋と和学の大人の話は弾む。傍らには色深く薫り高い伊勢茶と銘菓のへんば餅、素朴な味わいで二個目に手が伸びる。
「本づくりにはこだわりがあってな」、宣長は装幀を例に出す。表紙は布目模様で萌黄色、綴じ糸は紫がいい。
「それを藤屋に伝えます」
藤屋儀助と吉兵…
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