「『黒塗り公文書』の闇を暴く」日向咲嗣著
「『黒塗り公文書』の闇を暴く」日向咲嗣著
モリカケや桜を見る会など、国政に関わる事件のたび、国民が目にしてきた黒塗りの公文書。その黒塗り公文書がいまや地方自治体の現場でも日常的に作成され、当たり前のように市民に提示されているという。
東京都の葛西臨海水族園の建て替え計画や明治神宮外苑再開発などでも、市民らの情報開示請求に公開されたのは黒塗りの公文書だった。著者が2018年、市立図書館の建設を巡って和歌山市に開示請求した例では、1400枚もの公文書が黒塗りになっていたという。
行政は何を隠そうとしたのか。地道な取材で明らかになったのは、市民の共有財産が特定企業の所有物であるかのように改変されていく、官民連携の実態だったという。
黒塗り公文書が隠す官民連携の闇に迫る報告書。 (朝日新聞出版 990円)