(6)九ツ半に約束があるんです
正平がふたつ目の握り飯を食いながら、明るい声を出した。
「おちえちゃん。ぱあっと明るくいっちまえよ。案外、そうだったの? これからもご贔屓にっていってくれるかもしれねえよ。おれは、棺桶職人の弟子だって、長屋でちゃんと胸張っていってるからねえ」
「馬鹿。能天気なおめえ…
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