(13)高島藩の上屋敷がある愛宕下へ
(四)
「おかみさま、いかがでしょうか?」
千加は津島屋のおよねの顔が映っている鏡台を覗いてそう告げると、手鏡を使って結い上げた髷の右側、左側、そしてうしろの髱の具合も映して見せた。
およねは髱に手をやって確かめると満足した顔で頷き、
「いい感じ。歳を…
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