「桃色じかけのフィルム」鈴木義昭著
「桃色じかけのフィルム」鈴木義昭著
1962年に誕生した成人指定映画「ピンク映画」は、アダルトビデオの登場まで約半世紀にわたって膨大な作品が作られ、多くの才能も生み出してきた。しかし、その作品の多くは失われ、行方も分からない。
そんな埋もれたピンク映画作品を掘り起こし、作品にまつわる物語を紹介するルポルタージュ。
最初に登場するのは神戸映画資料館に寄贈のため持ち込まれた「色じかけ」という1965年に全国公開された劇映画。寄贈者は、同作の主演女優でストリッパーだった芦原しのぶさんの夫で医師の永山氏だった。2人のなれそめから、妻の死後にフィルムを手に入れた経緯までを追う。
ほか、ピンクの巨匠といわれた武智鉄二監督の幻の作品「幻日」など、忘れられた名作と監督、女優のエピソードが満載。
(筑摩書房 1210円)