姿月あさとは詞に涙…歌い手の心境見抜く秋元康の“洞察力”
しかも、さりげなくですが、私に人生の指針を示してくれた、秋元さんからの応援歌でもあったんです。
■環境の変化を直接話したことはないのに
初めてお会いしたのは09年11月。高知市で開催された文化人のボランティア団体「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」のシンポジウムでした。このイベントの一つが坂本龍馬をテーマにしたミュージカル。それを秋元さんがプロデュースし、私が主演しました。その1カ月後、秋元さんが私のディナーショーをご覧になって下さり、帰り際に「来年は僕がやるよ」って……。それが口約束ではなく、実現したのが「Actress」だったのです。
もっとも、秋元さんに当時の心境や歌う環境の変化は話したことはありませんでした。だから詞を見て驚いたんです。後日、ある方からうかがったところ、ディナーショーの時、ステージの途中で感極まってしまい、思わず「ううっ」となったのを秋元さんが不思議に思われ、その方に、「どうしたのかな?」と聞いたそうです。それで、当時の状況を説明してくださったと。