ジャニーズとコミックに依存 フジ月9に“成功体験”の呪縛
「失敗は成功のもと」というが、裏返せば「成功は失敗のもと」だ。自分の成功体験に縛られ、改革ができなくなってしまう。では「月9」の成功とは何だったのか。
テレビドラマは人気俳優をキャスティングできれば、ある程度はヒットが約束される。当たり前のようだが、これを徹底したのが「月9」だった。ドラマを制作するにあたり、ストーリーや登場人物を決めて、それに合う俳優をキャスティングするのではなく、先に人気俳優のスケジュールを押さえた上で、どんな役にしてどんな話にするかを決めた。昔の映画界が専属俳優を抱え、そのスターに合った映画を作ったのと同じことをテレビでやって成功したのだ。その結果、「月9」は木村拓哉(44)をはじめとするジャニーズへの依存度を高めていく。
もうひとつの成功が、コミックのドラマ化だ。「月9」初期の大ヒット作「東京ラブストーリー」や「あすなろ白書」もコミックが原作で、当時としてはまだ珍しかった。さらに「のだめカンタービレ」など、ドラマ化不可能と思うような原作まで、見事に大ヒットさせた。その結果、どの局もコミックや小説とのメディアミックスを重視するようになった。